選ぶ。寄り添う。馴染む。<モノの価値>

今日の記事は、モノについて。

常日頃ボンヤリと考えていることを言葉にして整理してみようと思ったので、この機会にまとめてみる。

いつものデスマス調とはちょっと違う記事ですが、お気になさらず。

 

良いものを長く使う、が口癖の母親に育てられた影響か、或いは蒐集癖のあった祖父の遺伝子を受け継いでいるのか、僕はとにかく価値あるモノが大好きだ。

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レッドウィング アイリッシュセッター

(もう18年も履いていて、僕の人生の半分を共にしている。)

 

モノの価値とは。

といっても、価値あるモノというのは高価なモノ、という訳ではない。

 

まず、これは大事なことだけれど、モノの価値は、値段で測るものではない。

 

たとえば¥20,000で買った服が¥2,000に投げ売りされたとしても、モノの価値が¥2,000に下がる訳じゃない。

逆にプレミアがついたからって価値が上がるわけでもない。

モノの価値は値段で表現できるもんじゃない、と思う。

 

モノを表現するのに相応しくない言葉。

最近のファッション用語に、高見え、って言葉がある。まぁようするにプチプラモノとかで、値段以上に高級そうに見える、って意味と捉えている。普通に、良いもの、とかお値打ち品とかじゃダメなのか。

そもそもこんな言葉を使う時点でモノの価値を値段で測る呪縛に捕らえられてしまっている。

だから僕はこの言葉が凄く苦手だ。

 

モノの価値は自分で決める。

それではモノの価値は何で決まるか。

モノの価値=

そのモノが持つ美点×自分が見出した価値×

(そのモノが持つストーリー+自分が見出したストーリー)

だと思っている。

こうしてみると、結局自分の決める要素が多いことに気づく。

 

モノを選ぶ基準とは。

そのモノが持つ美点。本質的な価値とも言えるかもしれない。モノの価値の出発点たるこの美点を持ったモノを選びたい。

 

どうやって選ぶか。

まずは、自分のスタイルを見つける。

これだけモノが溢れている世の中で、自分の相棒を探すには、なんとなくでも良いので、自分がモノの何に力点を置くのか理解しておくべき。

 

じっくり探す。

モノを手に入れるときは、基本は1カテゴリーにつきひとつ。じっくり探す。納得が行くまで探し続ける。

 

選んだからには付き合う。

選んだからには自分の感性を信じて使い抜く。

メンテも行う。大事にすることと、大事に使うことは違うこと、しっかり使うことが大事。

使い込まずしてまた買うと、いつまでたっても良いモノには辿り着けない。

 

時にはモノに寄り添うことも必要。

モノに合わないときは、モノの方に寄り添ってみることも。

使えない機能があったっていい。

開かないジッパーがあったっていい。

なんといっても自分が選んだ相棒なんだから。

 

そして、馴染んでいく、一生モノへ。

年を取るんじゃない。共に重ねていく。

そうすることでストーリーが生まれる。

生まれたストーリーはさらにそのモノの価値を高めてくれる。

 

そして願わくば次の世代へ。

 

モノの価値は、共有できない。

違うという意見もあると思う。

だけどこれが僕の結論。

少なくとも、転がっている情報を眺めてポチッとするだけじゃあ、価値あるモノには巡り会えない。それはただの消費行動だ。

 

モノを選び、寄り添い、そして使い、馴染ませてゆく。そうしてモノの本質を見抜く審美眼が磨かれる。

お値打ち品が大量生産されるようになる時代。

本質的な価値がわかるかそうでないかは、これから先の時代、格差となって現れてくると思う。

 

皆さんも願わくば良いモノに巡り会えますように。