夏に読みたい名作<真夏の方程式>

相変わらず書く内容に節操の一切ない本ブログですが、今回は夏に向けて読んでおきたい名作のお話です。いわゆる本紹介ですね。

 

一部ネタバレになるかもな説明もありますので読了していない方はその点ご了承いただければと思います。

 

真夏の方程式/東野圭吾

真夏の方程式 (文春文庫)

真夏の方程式 (文春文庫)

 

紹介するのはこの本。

ご存知、福山雅治主演のドラマ「ガリレオ」シリーズで映画化されている原作「真夏の方程式」です。

 

ポイント1<ひと夏の少年の成長を描く作品>

この作品、話の中心で展開されるのはミステリですが、主題はガリレオ先生が出会う少年の成長にあると思っています。

事件を通したり通さなかったりしながら、少年の理科嫌いを直したり、また人生で進むべき道を教えたりするガリレオ先生の姿は他の作品ではまず見ることができません。

(というかガリレオ先生子供嫌いだし)

 

実際のところ、二、三度読めばわかりますが、この作品は少年を主人公として描かれています。

なんとなく生意気で少しヒネたガキンチョの少年が、ひと夏を通して、ぐっと大人に近づくまでのストーリーは素晴らしいと思います。

また、映画版も観ればひとしおですが、とにかく夏の海の描写が爽やかでそれもひと夏の思い出感を増幅してくれます。

 

ポイント2<科学、数学とは何かを語りかける作品>

ポイント1で少年の理科嫌いを直す、と書きましたが、この話は科学とは何か、についても訴えかける作品となっています。

理科や数学は生きるために何の意味があるのか、と昨今Twitterでも話題になっていましたが、その答えとなるセリフやエピソードが随所に散りばめられています。

理系の人間であれば「そうなんだよ!」と思わず声に出したくなる小噺が満載です。

 

また、この話の中で背景として展開するのは、舞台となる綺麗な海に抱かれた町、玻璃ヶ浦の海底資源開発問題。

環境破壊を懸念する地元自然保護団体が開発団体に半ば攻撃的に食いかかっていきます。

科学と自然との関わりとはどうあるべきかがもう一つのテーマとして描かれています。

その中では、感情的ではなく、あくまでロジカルに議論し、そして正しい答えを出すことの大切さが語られます。

ロジカル=論理的であること、も実は理科や数学が教えてくれることです。

 

 

 ポイント3<最後のガリレオ先生のセリフに泣く>

最後に子供とガリレオ先生が会話するシーンがあるのですが、そこでの展開、先生のセリフには何度読んでもグッときてしまいます。

ネタバレになるので書けませんが、ここは実は映画では結構セリフが違っており僕は原作の方が圧倒的にいいと思っています。

 

まとめ

ガリレオ先生が出会う少年のひと夏の成長が爽快な名作。

作品を通して科学とは何かについて考えさせられる。

そして最後の描写で一気に爽快感が突き抜ける。

 

夏に読んでいただきたい名作だと思います。

 

・・・よく考えたらミステリの話は全然していませんねw

そっちもなかなか良いんですけどね。

読み物としては僕は容疑者xよりこっちの方が断然好きです。

 

Amazonプライムで観れますので会員の方は映画版も是非。