オクで購入したフィルムカメラを修理してみる<Konica C35 その1>
ついにこの領域に手を出してしまった。。。クラカメ修理・・・。
どうしても距離計連動によるピント合わせがしたく、C35が欲しくなってしまったのです。(いわゆるクラカメど真ん中のデザインに惹かれたのも勿論ですが・・・。)
とはいえ高確率で露出計が不動と言われるC35、完動品はそこそこ高価ですが、事前に修理について情報収集したところ、仕事上電気の知識もついてきたので配線やり直しぐらいならまぁイケるだろうから、オクで格安品を入手して遊びがてら修理して使うか、と思い立ったわけです。
というわけで、今回はヤフオクでC35を購入し修理に苦闘したお話とそのC35のレビューです。(自分の記憶メモとして残していますので、記事の内容に責任は持ちません)
<落札価格と選定基準>
今回購入のC35は3000円で落札の品。
ジャンク見込みにしては高いほうですが、一応選別をしてはいまして、下記の基準で狙いました。
・なるべく綺麗な外装。(小傷までOK、凹みはNG)
→使うだけでなく、観て、飾って楽しむことや直してまた売る可能性を考えても、外装は可能な限り綺麗なものを。
→外装が綺麗であれば使用歴が少ないまたは、保管歴が良いであろうから、レンズも綺麗な可能性が高いと踏んでみました。
・レンズがなるたけ綺麗(に見える)ものを。
→レンズには可能な限り触りたくないので、状態の良さそうなものを探しました。(オクの写真じゃわかりませんが・・・)
逆に気にしなかった要素
・モルトはどうせ張り替えるからどうでも良い。
・露出計は直すから露出計動作保証は不要。
・付属品の有無。
これを踏まえ購入したのが3000円の落札結果となったC35でした。
<届いた品物の現物確認>
ブツが届き、いざ!検分!!
・外装めちゃ綺麗。使用上の傷はあるものの凹みなく磨けばピカピカになりそう。
・レンズもイケそう。見る限りキズ、曇りなし。
・連動距離計(ピント合わせ機構)動作OK
・モルト死亡
・露出計不動
・付属品、ケース、キャップのみ、ストラップなし。
と、まぁ露出計不動は予想通りの結果。
動く露出計だったら動くと書いて売るのがオクだと思います。(その方が価値が上がるからね)
なので、書いてないのはほぼ動かないと見て良いと思います。
<分解、要因特定〜修理>
さて、無事死亡の露出計でしたが、こいつを直すためにまずは分解から始めて行きます。
事前に準備したものは下記です。
・精密ドライバーセット
・カニ目回しの代用として先細ペンチ
・テスター
・半田ごて
・何かの電線(その辺のLANケーブルちょん切ったらいい感じだと思います)
ちなみに先細ペンチとして僕が使ったのがロックホルダーという商品です。
今回先細ペンチを探しに行ったらこれを見つけて、これいけるんじゃね?と思い購入したのですが、これすごい便利ですね。しかもロック機構が手術器具のペアンみたいで気分はブラックペアン!
・・・。
さて、分解中の写真とか必死すぎて撮っていませんが、手順だけ紹介します。
まずはトップカバー外し。
フィルム蓋を開け、フィルム巻き戻しクランクのフィルム室側に棒を突っ込んで動かなくし、フィルム巻き戻しクランクを取り外します。
次に、巻き上げレバーですがこいつがめんどくさい。
レバーの頭のカニ目を何としても回して、外してください。さらにその下に対向の切り欠きを備えたロックナットが現れるのでそいつも気合いで外します。
そいつさえ外れればトップカバーは外れます。
ボトムカバーはネジ緩めればあっさり外れますので特に説明不要だと思います。
露出計の修理をする場合、 ボトムカバーを外してまず見るのは電池ボックス。
電池ボックスを止めているネジを2本外すと・・・
早速マイナス側の黒配線がポロリと外れました。
腐ってる。。。
そう配線が腐っていました、あわよくばこれを結線するだけで直る?と思っていた僕の希望が粉々になる程、剥いても剥いても黒い芯線が出てきます。
テスターで導通を測りますが、無音=死亡。
腐食した電池の液漏れが伝わって配線が完全死亡しちゃったのですね。
深いため息をつきながら電池ボックス〜CdS間の再配線を決意します。
この時点では電池プラス側(赤線)の無事は確認されていませんが、プラス側は銀色の芯線が見えたので多分やられていないであろうと考えました。(実際大丈夫でした)
さて、CdSはレンズ表の上部にある丸い物体なので、こいつの配線部を露出させるために、CdSの配線がマウントされている、レンズの最表にあるプラパーツを外す必要があります。プラパーツは2つの切り欠きを持つ細い金属性のOリングで押さえつけられえており、これを外せば外れます。切り欠きはカニ目回しで回すのが正ですが、僕は精密ドライバーの最細で無理やり回して外しました。
こうしてさらけ出したCdS配線部をよくみると黒い配線がCdSの両端ターミナルに結線されています。赤と黒ではなく???
この後レンズユニットを取り外して得た結論は下図です。
わかってしまえば単純な話ですが、要するに黒線の一本はカメラ上部のEEユニットに行っていたというわけです。
ちなみに2本ある黒線のうち、どちらが電池ボックスから来ている黒線なのか僕は一瞬で判りました。電池ボックス側の配線が完全にやられていたから・・・。
ちなみに図にも書いていますが、レンズユニットを外す際はピントピンに注意です。
こいつの存在価値がよくわからず、なんだろう、この余った棒は?(いつの間にか抜け落ちていた)と思って、全て組み付けた後動作確認でピントが動かずググりまくって調べた挙句にまたバラして組み直す羽目になりました。
こいつはカメラ表側から奥側に向かって伸びる棒です。レンズユニットに挿した状態でレンズユニットを戻す必要があります。
さて後は先人と同じように仮配線によりCdSの生存確認を行い、再度配線を行ったという次第です。
ちなみに再配線時には、ちゃんとレンズユニットの裏側の穴を通して配線することです。まさか、単に電池ボックスから引いた線をターミナルにブッコム、そんな人はいないと思いますが、その場合、半田付けした後、コレどうやってレンズユニット組つけるんだ?配線邪魔じゃん・・・orzとなり、再配線を余儀なくされます。(僕です)
まぁ他にもいろんなやらかしがあり、バラし組み付けを10回は繰り返し、最後に各部動作確認を行い、無事に完成となりました。
(最後の動作確認でダメが出た時は萎える・・・)
他にも整備していますが、ファインダーなど各部清掃と注油、モルト張り替え、レンズ前玉清後玉清掃のみです。
注油はシャッター粘りが出る可能性があるため、かなり注意して場所を特定して行いました。自分はピントリングのヘリコイドにきしみと渋みがあったため、音で要因箇所を特定してその場所に限って、粘土の高い油で湿らせた綿棒で撫でることにより注油を行い解決しましたが、正解かは不明です。今のところ問題は起きていませんが。多分注油は熟達者でなければやらないほうが無難です。
<修理を終えてみて思うところ>
今回分解して思ったのは、この世界の先達では常識のことなのか、トップやボトムの分解手順はほとんど写真付きで説明されていません。(この記事も写真がありませんが・・・)
これはちょっと自分の備忘録の意味も込めてもう一度バラす際に順番に写真を撮って整理したいと考えています。
というわけで無事に?直ったKonica C35、その写りはレビューとともにその2へ続きます。