僕とFUJIFILM<X100F>

1.”X”ではなく”Z”から。

旅行、カメラ、オーディオ好きの祖父を持つ僕。すでに祖父は亡くなっていましたが、その趣味をトレースするように、大学生となった私はバイクに乗ってツーリングをするようになり、方々に出かけていました。それはちょうど2004年ごろで、僕はこのコンデジ絶世期の頃、初めて自分のカメラを手に入れました。そうして僕が手にした初めてのデジタルカメラは、FUJIFILM”Z”でした

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FINEPIX Z2/公式サイトより*1
 

細かい説明は省きますが、僕はこのカメラが大好きです(今でも)。スーパーCCDハニカムが出すコッテリとしているが同時にナチュラルな色合いは当時の僕には最高だったし、今でもその色合いそのものはまったく色褪せません。このカメラとは本当にいろんな人達といろんな所に行きました。そして、これ以降カメラは旅の道連れ、日常の記録として私にとって欠かせないものになっていきます。

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               ”ツーリング先での一コマ”

この後、レンズ交換式に惹かれマイクロフォーサーズPanasinic1GF1に移行したり、ほぼ終焉を迎えていたCCDコンデジであるCANONS95を購入したりしました。何れも素晴らしい機種だったし、申し分はありませんでした(そして、今も手元にあリます。S95に至っては3歳の息子が使っていますw)ただ、あの”Z”の色合いだけは何故だかどうやっても手に入りませんでした。が、マイクロフォーサーズから乗り換えたくも、すでにFUJIFILMにはコンデジしかなく、大口径レンズ、4/3センサーに慣れた僕には購入対象となる機種はありませんでした。

 

2.そして”X”が来た。

なんとなくしっくり来ないカメラを使いながら日常を記録していたそんな頃、FUJIFILMが高級ラインの製品を発売するというニュースが飛び込んできました。

これは期待できるかもしれない、と思いながら、発表されたXシリーズの作例を目にすると、フィルムシミュレーションの画は、間違いなく”Z”の色と同じ線軸上にあると確信しました。(今になって考えれば、正確には、FINEPIX Z2FUJIFILMの哲学に沿って丁寧に作られたデジカメだったというだけの事ですが。)

しかし、Xシリーズ初代X100は価格的にも高価な上、単焦点レンズ固定式という点を受け入れることができず、それからしばらくの年月を待ち、念願叶って熟成のXシリーズ機、X-E2を手に入れました。(奥様に頑張って予算化を交渉しました。)

 

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このカメラのフィルムシミュレーションにはそのいずれにも魅了されましたが、とりわけASTIAには感動しました。柔らかい色と画は正に自分が求めていた色合いそのものだったからです。

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Xシリーズで魅了されたのはフィルムシミュレーションだけではありませんでした。(当たり前ですが、)描写も素晴らしかった。それを後にXF35mm/F1.4Rを購入して改めて実感する事になります。

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まさかこんな小型の素人用カメラ(失礼)で子供の瞳に映る電車を描写できるとは思っていなかったから。

操作系も絞りや露出補正をダイアルで直接変更できる事に直ぐに慣れ、”X”の操作系以外ではむしろ不便を感じるようになりました。今となってはどこかユルく感じるX-E2のシャッターもなんだかレフ機のミラーが上がるような振動が感じられて好ましいです。もちろん、見た目、質感も最高に気に入っていました。

新婚旅行のハワイでは、レストランでウェイターさんに写真を撮ってもらいましたが、goodCamera!と言ってもらいました。

 

そして、子供も大きくなり、カメラを本格的に趣味として呼べるようになってくると、毎日持ち歩くために、通勤用の鞄に入るサブ機が欲しいと感じ出しました。 

3.The origine ”X”

そして2017年末。色々と*2迷った末にX100Fを購入しました。色はこれも散々迷った挙句、シルバーに。

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”X”発表当初のあの頃、僕には全くその良さが理解できなかったX100シリーズだったが、今になって購入して使っていくと、この製品にFUJIFILMが込めた意図がよく分かります。

この製品は、FUJIFILMの考えるカメラの本質を具現化したものだと思います。レンズもインターフェースも、単なる懐古主義でそうしているのではなく、それがカメラの本質として必要なものだ(と考えている)から、そうしているのでしょう。Xシリーズのコンセプトを示すまさに原点たる製品。

結論からいうと、X100Fというカメラを僕は最高に気に入っています。正直なところメイン機であるX-E2の出番がかなり少なくなってしまいました。全く一般的にオススメできる値段でも無いし、凄い仕様上の性能も無いが、写真を趣味としたい万人にオススメと断言できます。

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祖父が昔使っていたフィルムカメラがあったことを思い出し、X100Fと並べて新居に飾ってみました。メーカーも色も違うけれど、どこか似ています。祖父はこのカメラでよく家族写真を撮ってくれました。私にとってのカメラの原体験はこのフィルムカメラでした。この”X”も僕の家族にとって、そんなカメラになれると信じています。

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*1:僕が購入したのはホワイト

*2:X-Pro2X-E3などの最新ボディの買い足し、あるいはXF56mmの購入など、本当に迷った。